LGBT医療福祉フォーラム
お久しぶりです。
Prismの自称・学術担当のぽんずです。
僕自身FTMトランスジェンダーで、医療に関するテーマには思わず反応してしまう人間なので、
今回は東京大学駒場キャンパスで行われた「LGBT医療福祉フォーラム」(10/13(土)・14(日))に参加してきました。
フォーラムの様子やその中で感じたことなどを紹介していければと思います。
(守秘義務など諸々の事情もあるので詳細な内容については控えさせていただきますごめんなさい)。
1日目13日(土)は前後に所用があったため、「シンポジウム LGBTのいのちと暮らしを守る」と「交流会」には参加できませんでしたが、「LGBTに関する医療福祉分野の専門教育」の分科会に参加してきました。
2日目14日(日)は1日参加することができ、「LGBTとDV/性暴力被害」「GID/トランスジェンダーと医療」「地方自治体におけるLGBT支援」の分科会に参加してきました。
1つずつ軽くですが紹介しますので、興味のあるところだけでも読んでもらえたらと嬉しいです。
13日(土)の「LGBTに関する医療福祉分野の専門教育」について。
医療従事者に対するLGBTsについての教育や現在の現場での考え方、今後どのように改善していくべきかなどを、現場で働く医師、看護師、社会福祉士の方や医学部学生の方からのお話を伺うことができました。
また、個人的に懸念しているトランスジェンダーの医療に関して、演者の先生と直接議論(?)を交わすことができ、その中でやはり問題は山積みであるなと実感させられました。
14日(日)の1つ目の分科会「LGBTとDV/性暴力被害」について。
DVや性暴力というものは異性愛を前提に語られていることが多いのですが、LGBTsの当事者でのDVや性暴力に着目してのお話でした。
LGBTsという立場で感じるの孤立とDV/性暴力被害当事者(サバイバーとも)という立場で感じる孤立の二重の孤立状態にあるなど、様々な要因で、LGBTsにおいても(異性愛カップル以上に?)DVや性暴力の問題が深刻であることを感じました。
2つ目の分科会「GID/トランスジェンダーと医療」について。
主に以下の2本柱での話題でした。1点目は、今世界全体でGID(性同一性障害;近い将来この名称は無くなりますが今回はGIDに統一します)という疾病の概念が変化してきていて、それに伴ってGIDの治療の形が少しずつ変化してきているということ(つまりGID自体の医療について)、
2点目はトランスジェンダー当事者が性別の違和に関係のない疾患などになった時の医療機関へのアクセスについてのこと(つまりGID+何かの病気に対する医療について)でした。トランスジェンダー当事者が行きやすい病院とは何か、それを作るために医療従事者、トランスジェンダー当事者の双方が歩み寄って話し合いを重ねる必要性を感じました。
3つ目の分科会「地方自治体におけるLGBT支援」について。近年地方自治体において、パートナーシップ条例が施行されることが増えてきています。条例を施行している、もしくは近い将来することになる自治体として、千葉市、那覇市、横須賀市の担当の方や携わっておられる方のお話を伺うことができました。千葉市と那覇市の方のお話では、既に他の地方自治体で施行されているパートナーシップを手本に、さらにこだわりを持って独自の良い点を付加した条例を作るに至った秘話(?)を、横須賀市の方のお話では、市立病院での診療において、同性パートナーであっても、他の家族と同等に扱うことを「明文化(暗黙のルールとして既に存在していたのだそう)」することに至った経緯をお聞きすることができました。
一地方自治体の取り組みでは限界はありますが、自治体内での組織の横の連携や医療機関との連携を作っていくことで、一地方自治体でも非常に充実したパートナーシップ条例を施行することができると感じました。
プログラムが終了した後、日頃からお世話になっていて今回のフォーラムで登壇されていた先生からのお誘いを受けて、先生のお知り合いの方々と数時間意見交換をする機会をいただけました。ご一緒させていただいた方々はおそらく僕(ちなみに24歳です)の倍以上の年齢の方々で、まさに歴史を今ここで引き継いでいるんだと身が引き締まる思いでした。また、今回のフォーラムにはLGBTsは専門ではないけれど、仕事などで必要に迫られて参加されていた方も多くいらっしゃったということも知ることができました。
その方々が専門とされる分野とLGBTsについてのことを融合させることで、新たな問題が浮かび上がったり、新たな解決法を導けたり、意見を共有したりと、さらに世界が広がっていくのだと気づくことができました。
ここまでまとまりもなく長ったらしくなってしまったんですが、全体の率直な感想を言うと、話の内容が本当に僕得としか言えないものばかりで、あまりに濃すぎるフォーラムでした笑。
今まで、LGBTs関連の学会や勉強会などにいくつも参加してきましたが、ここまで濃い時間を過ごすことができたのは初めてでした。あまりに濃すぎて、あまりに充実しすぎて、放心状態になってしまって、言葉が出ないくらいです(意味不明ですね笑)。
この2日間で受けた刺激を活かして、自分にできる活動などなどに取り組んでいければと思います。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
(ぽんず)
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